大谷だいやんのブログ

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映画『バービー』に同性愛要素なんてなかったし、そもそもポリコレ映画でもなかったケンについて(映画の感想)

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先日、映画『バービー』の上映が終了間近なところギリギリの滑り込みで観賞してきた。映画の感想としては、少し冗長と感じたがコメディとしてはそこそこは楽しめたし、特にブログを書く程のこともなかったのだが、上記に貼った記事について少し気になった点があったので少しだけ感想を書きたい。

以下、ネタバレがあるかもしれない内容なので注意。そして1回しか観ていないし、2度と観る気はないので記憶違いがある可能性は大。ただの妄想記事になってしまった可能性もあることは理解して欲しい。

 

まず、映画『バービー』についての大まかな感想だが、前半部分の人形の世界を人間が演じることで生まれるパロディはそこそこに面白かった。特にグッときたのは冷蔵庫の中身がただのイラストである、という点だ。

そもそも私は日本生まれ日本育ちの生粋のリカちゃん人形派であるので、この前半で笑った人形あるあるは全て、子供の頃リカちゃんで遊んだ経験があったからこそ笑えたのだし、今思い返せば観賞中もずっと頭の中でバービー→リカちゃんに置き換えていたような気がする。なぜなら日本人である私にバービーの記憶なんて皆無なのだからな!マテル社はタカラトミーに感謝すべきである。

で、その後のフェミニズムな内容についてだが、正直映画の評価が高かっただけに「それほどでも……」という感想を抱いた。

だって、男性優位な社会が問題であることを今更見せられても、もう100%中の100%、周知中の周知の事実であるし、男性しかいない役員会議を見せられ、女性たちはミスコンのポスターに……という現状を見せられても……いやいやもう知ってる知ってる、というか問題を強調するためにわざわざ時代を更にひと昔前に戻し、強烈な男性優位社会を見せるんじゃねぇ!という気持ちであった。

全てはギャグのためだけに、後世に残るであろうこういった作品で、アメリカ大企業の役員が男性しかいないというもはや嘘と言ってもいいくらいの描写すんなよ。2023年はまだこういう時代であった……という誤解に繋がるだろうが。。という謎の心配をしてしまうワシは何目線であろうか。

2023年にやるんだったら、現状はもう半歩くらい進んでいるはずなので役員にも何人か女性を入れて、女性の地位向上のために少しずつだけど社会がマシになろうとしているがまだまだであるという現状でも描けよ…とも思ったが、結局まあコメディ映画であるのでそちらを描くことは本質ではなかったからやらんかったのだろう。

コメディとしてはそれなりに面白かったけども、全然配信で観れば良い作品だし、わざわざ映画館で観る内容ではなかったな。

 

それはさておき、本題に入ろう。

この映画を観た後に、そういえばバービーっていろいろと炎上していたな~と何気なく調べてみたとこで出てきた記事。

レバノン、映画「バービー」上映禁止へ 「同性愛を助長」』

ん?え?同性愛を助長?そんな要素あったか?と映画の内容を思い返す。

どんなに思い返しても、いやいやいや……むしろこういった内容に関しても2023年であるのに、一昔前の異性愛者中心でマイノリティは存在していないような世界すぎてちょっと引いてたのだが。。特に大量のケンたちが大量のバービーたちに歌を歌って口説くシーンなど。

ワイちゃん、該当の「同性愛を助長」シーンで急に睡魔に襲われて自主的に映画編集しちゃったカナ?とツイッターで感想を検索してみた結果……

「バービーに同性愛要素あった?(・_・?)」

みたいなツイートしかねぇじゃねえか!!!

どういうことやねん。こんだけ「バービー同性愛を助長」記事が死ぬほど拡散されているのに、肝心の該当箇所に関するツイートが全く出てこねぇ~!!そもそも、炎上だけしといて誰もバービー観てないんじゃないか?

「【悲報】リカちゃん派の日本人、全然映画バービーを観ていない件について」っていうスレッドでも立ててぇ~~!

いや、自分の検索方法が悪い可能性は全然あるし、実は日本でも「同性愛を助長」シーンをディレクターズ達がカットしていた可能性もある、いやそれはないか。

そしていろいろ調べた結果と自分の記憶を辿ると2点ほど、該当箇所と疑われる点を見つけた。

まず1つ目は、ミュージカルシーンでケン役であるライアン・ゴズリングが左にいるケンと右にいるケンからキスされるというシーン。けど私の記憶ではこのシーン、むしろライアン・ゴズリングが嫌そうな表情をしていて(記憶の捏造かも)、むしろ不快に感じたシーンである。

そして2つ目は、アランの存在である。アランはホモソーシャルに馴染まないマイノリティ男性であるというポストは目にしたが、ゲイ男性といった描写ではなかったはずだ。

もし、アランがゲイ男性設定であったとしたら、ホモソーシャルに馴染めず女性の中にいて、暴力シーンもあるけど明らかにナヨっとしたキャラであるので、今時そういったステロタイプとしてこの作品で唯一存在するゲイ男性を描いて、偏見を加速させるの何??アホ??という感じである。まあアランは明確にゲイとは描かれていないがな。

結局、私が該当シーンを見落としているだけ、検索したツイッタラー達もたまたま該当シーンで記憶失ってた。という可能性は残るものの、この2点から映画『バービー』では「同性愛を助長」するシーンはなかったと言えるし、むしろ2023年の作品であるのに異性愛が中心すぎる息苦しい世界であったし、男性からのキスが不快描写(私のおぼろげな記憶)と唯一マイノリティっぽい男性がナヨナヨしている、という点でむしろ差別的な意図しか感じられないし、炎上するならそういう方向で炎上するべきであるし、それならそのような価値観の国ではむしろ喜んで上映するべきでは??と思うし、これだけ「バービー同性愛を助長」って炎上してるのに具体的なこと誰も語ってないのマジで何なの??とプチ憤っている。

そもそもバービーが本当にポリコレ映画なのであれば、前述のように役員達に女性がいるべきであるという点もそうだし、あれだけ男性役員がいるのであればその中にゲイ男性がいるなどということを描くのでは?と思う。そして代表が「こいつらは皆女好きさ!」みたいなゲボ吐きたくなるような決めつけセリフを吐くシーンで居づらそうにするキャラを描くはずである。本当に異性愛の暴力みたいな映画だった。

……と、なんか記事を書いているうちに映画『バービー』に怒ってる感じになってきたが、冒頭に書いた通りそれなりには楽しめた。だが、「バービーってポリコレ映画ですよ~」みたいなことをもし誰かに言われたら(言われない)「(゚Д゚)ハァ?」ってなる。ただそれだけである。

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